メアリと魔女の花

「メアリと魔女の花」はジプリじゃないのか?声優の演技がひどいと言われている理由について考察し、あらすじについても紹介しています。

スタジオポノックの代表作「メアリと魔女の花」は、2017年に公開されたアニメーション映画です。

監督は米林宏昌氏で、ジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の経験を持つ彼の手腕が光る作品です。しかし、多くの人がこの作品をスタジオジブリの作品だと誤解しているのです。

メアリと魔女の花はジプリじゃない!スタジオポノックとは?

「メアリと魔女の花」は、スタジオジブリではなく、スタジオポノックが制作した作品です。スタジオポノックは、スタジオジブリの制作部門解体後に設立され、多くのジブリ出身スタッフが参加しています。

このため、ジブリ作品の雰囲気を色濃く残しながら、独自の世界観を展開しています。

スタジオポノックの名前の由来

スタジオポノック(STUDIO PONOC)という名前は、クロアチア語で「深夜0時」を意味する「ポノック」からきており、「新たな一日の始まり」という意味が込められています。

スタジオポノックは、ジブリの制作部門解体後、バラバラになったクリエイターたちを再結集してスタートしました。西村義明氏と米林宏昌氏によって設立され、ジブリ作品で培われた技術や志を受け継ぎながらも、ジブリブランドを引き継がずに独自の道を歩んでいます。

スタジオポノックの特徴は、ジブリの伝統を受け継ぎながらも、新しい試みに挑戦する点です。たとえば、2019年にはアヌシー国際アニメーション映画祭で、オリンピック文化遺産財団との共同制作『Tomorrow’s Leaves』を発表しました。

これは、スタジオポノックが国際的なプロジェクトにも積極的に関わっていることを示しています。

「メアリと魔女の花」はスタジオポノックの最初の長編作品であり、約33億円の興行収入を記録しました。この成功は、ジブリの伝統を継承しながらも新しいクリエイティブなアプローチを取った結果です。

スタジオポノックとジブリの違い

スタジオポノックは、ジブリとの共通点が多いものの、新たなアプローチと創造性を追求しています。これは、米林監督のスタジオジブリでの長年の経験と、西村義明代表の新しい世界観を形作る意志から生まれています。

スタジオポノックは「ジブリの血を引いた作品を作ろう」という思いで設立され、ジブリが築き上げてきた映画作りの志を継承しつつ、手描きアニメーションという伝統的な制作スタイルを踏襲しています。

しかし、物語や映像、音楽や音響に至るまで、国内外の新たな才能や技術も積極的に採り入れ、多様な作品作りに挑んでいます。

西村義明氏は、「僕たちは『今、作るべき作品を作る』だけ」と述べており、ジブリの高畑、宮崎両監督のテーマに捉われず、自分たちの答を見つけることを重視しています。

彼らは80年近く生きた両監督に『ラピュタやトトロのような作品を作って欲しい』とは望まず、自らの時代とテーマで新しい作品を生み出しています。

スタジオポノックは、ジブリの伝統を受け継ぎながらも、新しい時代のテーマやアイデアを表現することで、独自のアイデンティティを確立しています。このような姿勢は、今後も独特のアニメーション作品を生み出す可能性を秘めています。

ジブリ作品との類似点を持ちながらも、スタジオポノックは独自の道を歩むことで、新しいアニメーションの世界を切り開いていくことでしょう。

ジプリ作品のパクり?オマージュ?

ジプリ作品との類似点

多くの観客が「メアリと魔女の花」を見て、ジブリ作品との類似点を指摘します。たとえば、主人公メアリが魔女の力を得てほうきで空を飛ぶシーンは、『魔女の宅急便』を想起させます。

しかし、この映画はジブリ作品の模倣ではなく、スタジオポノックの独自のビジョンと創造性によるものです。米林監督は、ジブリ作品で培った技術と感性を活かしつつ、新しい物語とアニメーションスタイルを提供しています。

独自の魅力とアプローチ

「メアリと魔女の花」は、ジブリ作品との類似性にも関わらず、独自のストーリーテリングと映像美を追求しています。この作品は、新しいアニメーションの可能性を探る米林監督の挑戦と言えるでしょう。

「メアリと魔女の花」のストーリーにはジブリ作品との共通点が見られますが、細部には独自の要素が含まれています。

例えば、メアリが一時的に魔女の力を使えるようになる点や、ティブという黒猫が登場する点など、ジブリ作品『魔女の宅急便』を思い起こさせる要素がありますが、メアリは本当の魔女ではなく、ティブも使い魔ではないなど、独自の設定が施されています。

また、メアリが色が変わる不思議な猫を追いかけて森に入るシーンは、『となりのトトロ』の「不思議な出会い」を思い出させます。

さらに、メアリがエンドア大学に辿り着くシーンは、天空に浮かぶ学校が『天空の城ラピュタ』を連想させ、崖の階段を上るシーンは『千と千尋の神隠し』の千尋の姿に似ています。

これらの要素は、ジブリ作品へのオマージュとして機能しつつも、「メアリと魔女の花」独自のストーリー展開とキャラクター設定によって、新しい魅力を生み出しています。

ジブリ作品の影響を受けつつ、スタジオポノックは自らのアイデンティティを持った作品を創造し、アニメーションの新たな地平を切り拓いています。

「メアリと魔女の花」の物語やキャラクター、アートスタイルは、ジブリ作品との関連性を保ちながらも、独特の魅力と新しい視点を提供しており、アニメーションファンに新たな体験を提供しています。

このような取り組みによって、スタジオポノックは独自のファン層を形成し、アニメーション業界において重要な役割を果たしていることでしょう。

「メアリと魔女の花」の演技がひどいと言われる理由

「メアリと魔女の花」の声優には、杉咲花、神木隆之介などの有名俳優が起用されています。しかし、一部の視聴者からは声優の演技がひどいとの指摘があります。それに対して、別の視聴者は彼らの演技を高く評価しています。

有名俳優を声優として起用する背景には、彼らの演技力と知名度を活かしたいという意図があります。このアプローチは、アニメーション映画の魅力をさらに広げるものとして捉えられます。

俳優を起用した声優のパフォーマンスに対する評価は、視聴者によって大きく分かれます。一部の視聴者は声優のスキル不足やディレクションの問題を指摘し、棒読みやボソボソといった演技に違和感を表明しています。

一方で、別の視聴者からは、杉咲花や神木隆之介の声の演技が評価されています。特に、声のトーンやキャラクターへのフィット感に関して肯定的な意見が多く見られます。

このように声優の演技については賛否両論があり、アニメ映画の声優選定においては、視聴者の好みや期待によって評価が大きく変わることが分かります。

「メアリと魔女の花」のあらすじ

「メアリと魔女の花」の物語は、11歳の少女メアリ・スミスが主人公です。彼女は夜間飛行という特別な花を見つけ、その花の力で一時的に魔女の力を得ることになります。この力を使い、メアリは魔法世界の最高学府であるエンドア大学に辿り着きます。

そこで彼女は、校長マダム・マンブルチュークや科学者ドクター・デイと出会い、多くの冒険に巻き込まれます。物語はメアリが魔法の世界の真実を知り、友人ピーターを救うために奮闘する姿を描いています。

物語の中核

この映画の中核は、メアリが自身の力とアイデンティティを発見する過程です。彼女は、魔法の世界での冒険を通じて、自己の強さと勇気を見出します。メアリの成長と自己発見の物語は、視聴者にとって共感と魔法の世界への興味を引き出す要素となっています。

メアリは当初、自分の中に眠る能力や価値を理解していませんでしたが、エンドア大学での経験を通じて、自分の内面と向き合い、自信を持つようになります。この過程は、視聴者にとっても自己探求の重要性を示唆する物語となっています。

エンドア大学という舞台設定

エンドア大学という独特の舞台設定は、映画の物語を豊かにしています。この学校での出来事やキャラクターとの出会いが、メアリの成長を促します。エンドア大学は、魔法使いと魔女のための名門学校として描かれており、魔法の世界における多様な魔法や文化が展開されます。

学校内では、変身魔法の実験や魔法の授業が行われ、メアリはこれらの経験を通じて魔法の世界に深く関わることになります。エンドア大学は、メアリが自身の力を発見し、魔法の世界の真実に触れる場として重要な役割を果たしています。

メアリと魔女の花の円盤をチェックする

まとめ

「メアリと魔女の花」は、ジブリ作品ではないものの、スタジオポノックによる独自の魅力あふれる作品です。声優のパフォーマンスに関する意見は分かれますが、その物語性とビジュアルは多くの視聴者を魅了しています。

この映画は、新しいアニメーションの可能性を示し、観る者に深い印象を残す作品と言えるでしょう。