万葉集を詠む人

日本の新元号として発表された令和の意味をわかりやすく解説しています。

出典・由来となった万葉集「梅の花の歌32首」の原文引用・現代語訳なども交えて、分かりやすく紹介しているので、参考にして下さい。

令和の意味とは?

令和

2019年5月1日に改元される「令和」ですが、新元号が発表された時に安倍首相は記者会見で次のような談話を発表しています。

令和には人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められております。

厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込め、令和に決定致しました。


「一人一人の日本人が、それぞれの花を大きく咲かせることができる」という部分に思わず、SMAPの「世界に一つだけの花」を連想してしまいました(笑)一人一人の個性を大事にする良い意味が込められていますね!

また、安倍首相は「令和」の出典元が日本最古の歌集「万葉集」であることを発表しています。続いて、万葉集のどの部分から引用されたのかをわかりやすく解説していきます。

万葉集とは?

現存する日本最古の歌集

万葉集は、1200年余り前の7世紀後半から8世紀後半(奈良時代)にかけて編纂された日本最古の歌集です。全20巻からなり、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民、大道芸人まで幅広い階層の人々が詠んだ歌4500首以上が集められたものです。

万葉集の意味や由来は、「万の言の葉」を集めたとする説や、「万世(葉)まで伝わるように」という意味を込められた説など、諸説あるようです。

学校の授業でも取り上げられるので、名前自体を知っている人は多いのではないでしょうか。安倍首相は首相官邸の談話にて、「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であります。」と表現しています。

引用元は「梅の花の歌32首」の序文

令和の出典・引用元となった「梅の花の歌(梅花の歌)32首」の序文は、万葉集の第5巻に収録されています。梅の花の歌の作者は諸説ありますが、「大伴旅人(おおとものたびと)」と言われています。

原文は以下のようになっています。

初春の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぐ。梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす。

原文の中にしっかりと「令」と「和」が盛り込まれていますね!現代語訳・口語訳をすると、以下のようになります。

折しも、初春の佳き月で、空気は清く澄みわたり、風はやわらかくそよいでいる。梅は佳人の鏡前の白粉のように咲いているし、蘭は貴人の飾り袋の香にように匂っている。

「梅の花の歌32首」は、大伴旅人が大宰府にある邸宅で、梅花の宴を開いたときに詠まれた歌の序文で、「梅の開花と春の訪れを祝った」内容のようです。

令和の「令」の意味と由来

令和の正しい書き方はどっち

さらに掘り下げて、令和の「令」の意味と由来を見ていきましょう。万葉集「梅の花の歌32」首には「令月(れいげつ)」という言葉が使われています。

令月の意味

何事をするのにもよい月。めでたい月。よい月。

「令」という漢字自体、「良い、立派な、清らかで美しい」という意味を持っており、新時代をイメージする良い漢字ですね。今後、子供の名前に付ける人が増えそうです。

令和の他の読み方は?子供の名前おすすめ例を紹介(男の子・女の子)

令和の「和」の意味と由来

令和の「和」は、万葉集「梅花の歌」序文の「風和ぐ」から採用されています。「和」の意味はあえて触れるまでも無いかもしれませんが、「おだやか、のどか、ほどよい」などとなります。

和食や和製など、日本そのものを表す漢字としても使用されており、直近の元号として「昭和」にも使われていることから、日本人には馴染みの深い、どこか懐かしい落ち着く漢字ですね。

まとめ:令和は日本の古典から初めて採用

本日のおとく情報

・令和には「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められている
・令和は万葉集「梅の花の歌32首」から引用

日本の元号は今までに246個ありましたが、確認されている限り、全て中国の古典が出典元となっていました。令和は万葉集「梅の花の歌」から引用ということで、日本の古典から採用された初めての元号となります。

いよいよ2019年5月1日から新時代の幕開けとなる「令和」が開始となります。令和の意味や由来を子供や外国人に聞かれた時に、しっかりと答えられるよう、今のうちに把握しておきましょう♪

その他にも令和に関する記事をまとめていますので、参考にしてくださいね。